キャビア、誰もが耳にしたことのある、小さなつぶつぶ。
宝石かと思われるくらい、一粒の価値が高い食品。
世界三大珍味に数えられる食品が、日本国内でも生産されております。
世界三大珍味!
多くの方がご存知の世界三大珍味。
地中で育つ幻のきのこ「トリュフ」
肥大化させたアヒル(鴨なども含む)の肝臓「フォアグラ」
そして、チョウザメの卵を塩漬けにした「キャビア」
珍味、というよりも希少性が高く高価な食材のイメージ。
トリュフやキャビアは国産品が流通しているのを確認しております。
気になる方はお調べください。トリュフの情報は殆ど出てきませんが・・・
フォアグラに関しては動物愛護の観点から、生産するのが難しくなっているもの、らしいです。
以前は国産品もあったようですが、現時点では確認できておりません(個人調査結果)。
新見キャビア
国産のキャビアは、宮崎が先駆け(と思っています)で、他の地域での生産も広がっているようです。
今回は岡山県の北部に位置する新見市で生産しているキャビアをご紹介です。
新見市は北に鳥取県に、西は広島県に接する、岡山県北西部の地。
蒜山高原があり、冬場はウィンタースポーツが盛んなエリアです。
そんな新見市でキャビアの生産を行っているのが、蝶鮫屋(株式会社エヌディエス MSファーム事業部)。
カルスト大地から湧き出す地下水や、高梁川の清流を利用し、チョウザメの飼育環境を作っております。
小さな箱ですが高級感があります。
新見キャビア。一粒一粒がきれいに並んでおり、瓶詰めした職人の丁寧な仕事が伺えます。
チョウザメとは
そもそも、キャビアはチョウザメの卵から作られます。
チョウザメ・・・
「サメ」の仲間かと思ってしまいますが、実際は魚なんです。
サメとは違い、全骨魚類(サメは軟骨魚類)で、浮袋を持っています。
チョウザメはキャビアの一大産地である旧ソビエト連邦の崩壊時に乱獲されてしまったことで、その数が激減。
その後、ワシントン条約の規制対象にもなっております。
もともと成長するまでに他の魚類よりも時間を要する(8年以上)こともあり、その卵は希少性が高いことがわかります。
世界三大珍味に数えられていることから希少性だけでなく、高額であり、嗜好性が高く、とくにフランス料理では欠かせない品になっております。
新見キャビアのこだわり
上述の通り、チョウザメが卵を持つまでには8年以上を要します。
新見キャビアも同じく、8年以上大切に育てたチョウザメの卵の成熟度を1匹ずつチェックして、最適な瞬間に採卵しています。
ひと粒が2.5mm以上という規定も設けており粒の存在感も抜群です。
また、海外のキャビアと大きく違うのが、非加熱で低塩分であること。
国産のキャビアは非加熱であることが多いようです(加熱されているのはまだ知りません)。
非加熱であることから、海外のキャビアと違って、ねっとりとした卵本来の味わいがあります。
輸入品の多くは高塩分で、加熱殺菌を行っていることから、プチプチとした食感になっていることから、違いは一目瞭然です。
新見キャビアが新鮮なキャビアという所以はここにあるかもしれません。
キャビアについて
旬の時期
一般的にチョウザメの採卵は春と秋の2回。
※新見キャビアの採卵時期は確認できておりません
塩漬け後、すぐに冷凍されるので、1年を通じて流通しております。
産地
一般的なキャビアは輸入品(ロシアが多く、イランなども)です。
国内で確認できているのは、宮崎県、岡山県、香川県。
価格
国産キャビアは1gで800円程度。
新見キャビアは15gで12,960円(税込)なので、1gで864円。
輸入品の場合は1gで200円ほどで手に入るので、国産は更に高価なことが伺えます。
※輸入品もピンからキリまであります
実食
キャビアはとても繊細で、金属製のスプーンを使用すると金属臭が移ってしまいます。
そこで使用するのは、シェルスプーンという貝から削り出した特性のスプーン。
これは、キャビアを食する際に必須のアイテムになります。
シェルスプーンで掬ったキャビアを口に運ぶと・・・
ねっとりとした食感で味わい深い感じ。
今回は「醤油味」をチョイスしているので、新見産の醤油の香りも堪能できます。
和食、とりわけ魚との相性は抜群。
真鯛を薄くスライスして一緒に口に運ぶだけで他の調味料は不要。
ほんのりとした醤油の香りと卵のコクを感じられます。まさに口福感!
評価(満点☆5つ)
味 :☆☆☆
価格 :☆
希少性:☆☆☆☆
味について文句はまったくないのですが、ものすごく美味しくてどんどん食べたい、というものではないため、辛口評価。
価格だけをみれば、「高い」と言わざるを得ないので。
(もちろん生産にかかるコストは理解していますが、我々庶民がそう容易く食べられるものではありませんので)
希少性は高めですね。とはいえ、1年中入手は可能です。